第17章 誕生祝い to SHO
ーMsideー
智はスパルタだった…
言うことは厳しいのに、顔はいつものふにゃふにゃ笑顔だから何だか怖えし。
雅紀は笑って見てるだけで助けてくんねーし。
まぁビシバシしごかれたおかげで、1人でそれなりに滑れるようにはなった。
それでもまだ、スマートに滑れてるとはとても言えないと思うんだけど
「潤、さすが!やっぱり運動神経いいね!」
「上手に滑れるようになったね」
「すごくカッコいいよ!ね、智?」
「うん、カッコいい」
智も雅紀もめっちゃ褒めてくれる。
まぁ、褒められれば悪い気はしない。
智め、アメとムチの使い分けがうまいな…
自力で滑れればやっぱり楽しいし、感謝しかないけどさ。
今日もなんだかごちゃごちゃ考えてそうだった雅紀は、油断してたら1人でどっか消えそうな気がして、なかなかその手を離すことが出来なかったんだけど。
しっかりクギを刺した甲斐があったのか、その後はずっと楽しそうに笑ってたから、その面ではもう安心して手を離せてる。
いつコケるか分かんねーって意味では安心感は皆無だけど。
コケてなくても体のあちこちが痛いし。
きっと不自然な力が入ってたんだろうな。
こりゃ明日は筋肉痛だ。
完全にスケートをなめてたな…
ちなみに、何度もすれ違う翔たちは相変わらずべったりくっついたまま滑ってる。
翔だって絶対もう1人で滑れるようになってるはずだよな…
逆に滑りにくいだろってくらいの距離感でイチャイチャしながら滑り続けてられるのは、やっぱり2人とも運動神経が良いから出来ることなのかもしれないけど。
ま、本人が滑れるようになっても離れるつもりはないって宣言してたからな。
有言実行だな。