第17章 誕生祝い to SHO
リンクの真ん中で滑らないで喋ってたら
「なんか楽しそう!なに笑ってるのー?」
ちょうど近くを通ったらしいニノたちが近づいてきた。
いつの間にか翔くんもかなり上達してて。
さっきまでの歩行訓練状態じゃなくて、もうニノと普通に手を繋いで並んで滑ってる。
まぁ、翔くんもまだへっぴり腰だけどね。
「潤がだいぶ滑れるようになったから、そろそろ手を離してみたらって言ってるんだけどさ」
「ほら、この通り!全然離してくれないんだよ」
俺たちの説明を聞いて、潤の力の入った手を見て、ニノと翔くんがクスクス笑う。
それで潤がまたムッとした。
「笑ってるけど、翔だってまだニノに支えてもらってんじゃねーか!」
「そうだよ」
でも翔くんは全く気にしない。
あっさり頷くと
「まだ1人じゃうまく滑れないし…この後滑れるようになったとしてもカズの手を離すつもりはないよ」
爽やかな笑顔でサラリとそんなことを言う。
「今日も人が多いし、カズとはぐれたら困るからね」
「翔ちゃん…///」
翔くんに優しく見つめられたニノは、ポッと頰を染めて嬉しそうにはにかんだ。
「あー、そーですか…」
潤はヤブヘビだったと言わんばかりの顔でゲンナリした。
まぁ、今日は翔くんの誕生日祝いだからね。
心ゆくまでイチャイチャさせてあげようよ。
昨日も相当ラブラブだったけどね。
俺は昼休みの様子くらいしか知らないけど。
智たちに聞いた話だと、どうやら1日中いつもの何倍も甘々だったみたい。
バカップルに慣れてるはずの1組のクラスメイトたちが辟易するくらい。
誕生日の力すげぇな…