第17章 誕生祝い to SHO
-Aside-
潤を真ん中に智と3人で手を繋いでリンクを何周か滑った。
俺に笑われたのがよっぽど悔しかったのか、最初は王様みたいだった潤もかなりムキになって練習してて。
負けず嫌いだなぁ。
でもやっぱり運動神経がいいんだと思う。
最初に比べたらすごい進歩してる。
まだへっぴり腰だけど、そろそろ手を離しても大丈夫そうな気がする。
「潤だいぶ滑れるようになってきたんじゃない?さすがだね!」
「だろ?」
智も同じこと思ってたみたいで。
智がちょっと大袈裟に褒めたら、潤は得意げに胸を張った。
「じゃ、そろそろ手離してみよっか!」
「いや…それは…まだ…」
でも智の提案に、途端に眉毛が下がって情けない顔になって。
「あははは!」
「雅紀笑ってんじゃねーよ!」
つい笑っちゃったら、怒られた。
全然怖くないけどねー。
「ほら!練習練習!」
ちょっとイタズラ心が湧いてきて、潤の隙をついてパッと手を離してみる。
「…おいっ!急に離すなってっ!」
「痛い痛い痛いっ」
そしたら焦った潤にものすごい力で腕を掴まれて、思わず悲鳴を上げた。
焦りすぎでしょ!
腕に手形ついちゃうよ!
「あははは!」
そんな俺たちのやり取りに今度は智が爆笑して。
「おい!智まで離すんじゃねーぞ!」
潤は智を睨みつつも、離されないように警戒して、しっかり智の手を握り直した。
どんな怖い顔作ってたって、行動が子どもみたいなんだもん。
おかしくて、智と目を合わせてまた笑ってしまった。