第17章 誕生祝い to SHO
「カズも受ける?」
「俺は滑れるから受けない」
翔に聞かれたニノは笑顔でスッパリ答える。
そりゃそうだ。
ニノは習う必要ないだろ。
智も、雅紀も。
必要なのは俺たちだけだ。
でも翔はそれじゃ納得しない。
「じゃあ俺も受けない!別行動なんて嫌だ!」
「えぇっ…」
子どもみたいな駄々をこねて、ニノを困らせる。
「だって俺誕生日だもん…カズとずっと一緒にいたいよ…」
「翔ちゃん///」
いや、ニノは困ってねーな。
嬉しそうにはにかんでる。
「じゃあ、あの捕まるソリみたいなの借りよ♡」
「あれ子ども用でしょ?やだよ!」
ニノがニコニコしながら指差した先では小さい子が雪だるま型のソリに捕まって滑っていて。
当然、翔は拒否したんだけど。
「なんで?雪だるまやペンギンで可愛いよ?」
ニノはキョトンと首を傾げた。
いや、あれは俺も嫌だ。
高校生男子が使うものではないだろう…
「可愛さは求めてないから!」
「えー…」
ニノは不満そうに口を尖らせるけど、俺や翔があんなん使ってたらおかしいだけだって!
現に想像したっぽい智と雅紀はケラケラ笑ってる。
ニノや智なら、あんなの使ってても可愛いだろうけどな。
「うーん…どうしよう…」
翔が断固拒否を続けるから、ニノは困った顔して少し考えてたけど
「じゃあ、はい!」
パッと笑顔になると、翔に向かって両手を差し出した。
「俺が引っ張ってあげる!捕まって?」
「え…う、うん…ありがとう…」
翔は嬉しいような情けないような、何とも言えない顔をしつつ、今度は素直に頷いた。