第17章 誕生祝い to SHO
「翔ちゃんが死んじゃったら困るもん」
「絶対死なないし、もう二度と言わないから…」
「本当?」
「本当!」
俺が笑ってる間もニノたちは何やらワーワー言い合ってたけど。
「約束してね」
「うん、約束」
気付いたら指切りしてて。
しっかり指を絡めたニノは、もう笑顔に戻ってた。
「お弁当また作ってくれる?」
「うん♡」
まだちょっと不安そうに確認する翔くんにニコニコと頷くと、ニノはまたオムライスをすくって翔くんの口元に運んだ。
「はい、あーん♡」
「あーん♡ああ、美味しい…幸せだ…」
あっという間にラブラブに戻った2人。
潤と雅紀は展開についていけなかったのか、ポカンとニノたちを見ていたけど。
「なんだったの今のやり取り…」
「茶番だな…」
呆然と呟いたと思ったら
「俺たち何を見せられたんだろうね…」
「そもそも幸せで死ぬってなんだよ…」
我に返ったのか、うんざりしたように文句を言い始めた。
それを聞いて、そういえば前にニノは翔くんがカッコ良すぎて死にそうって言ってたなって思い出した。
なんだ、ニノだって似たようなこと口にしてたじゃん。
似たものカップルだなぁ。
それなのに自分のことは棚上げして翔くんのことは責めるなんてちょっと可哀想じゃない?
ああ、でもあの時は俺もニノの気持ち分かっちゃったんだった…
だってそれくらい潤がカッコ良かったんだもん。
…って今は俺のことはどうでもいいんだよ。
ま、ニノたちには潤たちの文句は全く聞こえてないみたいだし。
何事もなかったみたいにまた幸せオーラを撒き散らしてるし。
今日は翔くんの誕生日で。
翔くんもニノもすごく幸せそうに笑ってるから、それだけでいいんだろうな。