第17章 誕生祝い to SHO
朝の待ち合わせ。
いつもは翔ちゃんが早く来て待っててくれることが多いんだけど。
今日は頑張って翔ちゃんよりも早く行って待ち構えて。
「翔ちゃん、お誕生日おめでとう♡♡♡」
「ありがとう///」
開口一番にお祝いの言葉を伝えたら、翔ちゃんは少し照れたようにはにかんだ。
日付が変わるのと同時にお祝いメッセージは送ってたけど、やっぱり会って顔を見て直接伝えたかった。
おめでとうの気持ちを込めて笑顔のままじーっと見つめてみたら、恥ずかしくなったのか翔ちゃんの目が泳いで。
ふふ♡照れてる翔ちゃんが可愛い♡
不自然ににやけてしまわないように気を付けながら可愛い翔ちゃんの観察をしていたら、あちこち彷徨ってた翔ちゃんの視線が一点で止まった。
「カズ、それって…」
翔ちゃんがジッと見ているのは俺の持ってるお弁当の入ったバッグ。
お弁当を作った時はいつもこのバッグに入れてくるから、翔ちゃんも察したみたいで。
期待に満ちたキラキラした視線を向けられて、なんだかドギマギしてしまう。
「うん///お弁当…翔ちゃんの誕生日だから作ってきた…」
眩しい翔ちゃんの目を真っすぐ見れなくて、俯きがちに答えてたら
「……カズっ♡♡♡」
「……っっっ///」
感極まったような声で呼ばれたのと同時に、何故か突然抱き締められて。
心臓が止まるかと思った。