第15章 誕生祝い to MASAKI
初めて見たクリスマスのイルミネーションは、すごくすごく綺麗でしっかり感動したんだけど。
翔ちゃんの言ってた通りものすごーく混んでた。
周りのどこを見ても人・人・人!!
みんな頭上のイルミネーションを見ながら歩いてるから進みも遅い。
いつもなら絶対イライラしちゃいそうな状況。
でも今日は全然気にならない。
人が多いから翔ちゃんとの距離も自然と近くなるし、進まない方が長くこの時間を共有できるもんね。
翔ちゃんと一緒に人の流れに身を任せて。
キラキラ輝くイルミネーションを見上げながら、ゆっくりゆっくり歩く。
「綺麗だね♡」
翔ちゃんに声を掛けたら、イルミネーションより何倍も眩しい笑顔が返ってきた。
光を映してキラキラしてる瞳に吸い込まれそう…なんて呑気に見惚れていたら
「いや、カズの方が…」
翔ちゃんが何か言い掛けて、途中で恥ずかしそうに口を閉ざしてしまった。
俺の方が……何?
え…?もしかして……?
「………っっっ/////」
その先の言葉を想像して、ぼんっと顔が熱くなった。
本当に言われた訳じゃないのに。
勝手な想像なのに。
でも翔ちゃんもなんだか赤い顔をしてて
「やっぱり混んでるね…カズ、大丈夫?」
照れ臭そうに目線を泳がせながら話を変えた。
「うん、大丈夫」
多少の不自然さは感じたけど、気付かないフリをする。
だってヘタに追求して本当に想像通りの言葉が翔ちゃんの口から出てきたら、嬉しいけど恥ずかしすぎるし。
違ったら違ったでガッカリしちゃいそうだから。
はっきりしない方が勝手に夢を見てられるよね。