第15章 誕生祝い to MASAKI
手を引かれて歩きながら、何気なく見た翔ちゃんの首にもマフラーが巻かれてて。
翔ちゃんは朝からずっとしてたんだけど、改めてよく見るとさ…
もしかして…?
「ねぇ、翔ちゃんのそのマフラー…」
「うん、そう…カズと同じの…肌触りが良かったから自分にも買っちゃったんだ」
ドキドキしながら聞いてみたら、翔ちゃんはちょっと照れたように教えてくれた。
やっぱり俺のと同じのなんだ!
「勝手におそろいにしてごめんね。嫌じゃない?」
「ううん、嬉しい!」
翔ちゃんとのおそろいが嫌なわけない。
その理由が肌触りの良さだって全然構わない。
むしろこのフワフワに感謝する!
スマホケースに続いて2つめのおそろい。
嬉しすぎて叫びそうだよ。
「このマフラー本当にフワフワで気持ちいいね」
本当に叫んじゃわないように、マフラーに口元を埋める。
「でしょ?カズがマフラーしてるの見たことなかったから、もしかしたら首に巻くものが苦手なのかな…とも思ったんだけど」
「そんなんじゃないよ、単純に持ってなかっただけ」
「それなら良かった。あんまり手触りがいいから手離せなくなって決めちゃったんだ」
ちょっと心配そうだった翔ちゃんがホッとしたように笑った。
「早速役に立ったし、マフラーにして良かったな」
「これから毎日使うね!」
「ありがとう」
何故だか翔ちゃんにお礼を言われて。
「俺がありがとうだよ!絶対大切にするから…本当にありがとう///」
つい力いっぱい反論しちゃったけど、大きな声になっちゃったからちょっと恥ずかしくなる。
でも翔ちゃんは嬉しそうで。
目が合ったら、2人でふふって笑い合って。
幸せすぎて俺の心もマフラーに負けないくらいフワフワしてた。