第15章 誕生祝い to MASAKI
「これ以上なんて翔ちゃん引いちゃうよ」
「絶対引かないよ!」
「本当…?」
「本当!」
「……ありがと///」
食い気味に否定してくれたのが嬉しくて。
ゲンキンだけど、泣きそうだったのなんてあっという間にどこかへ飛んで行った。
顔がゆるゆると緩んでいく。
「カズが疲れてそうだったから人混みに連れて行くのが心配だったんだけど…本当に大丈夫?」
「うん!大丈夫!」
「じゃあ、見に行こうか。でも無理はしちゃダメだよ?」
「うん♡」
どうしてもにやけてしまう頰を両手で押さえていたら
「おーい、話は終わったか?イルミネーション見に行くんでいいんだろ?」
「ニノ、早く行こ!じっとしてると寒いよー!」
呆れたような潤くんと寒そうに足踏みしてる智に声を掛けられて、はっと我に返った。
そうだった!
翔ちゃんと2人きりじゃなかったよ!
「はくしょん!」
「ごめん、さと……っくしゅ!」
智からくしゃみが飛び出して。
謝ろうとしたら、俺にもくしゃみがうつった。
確かに日が暮れて気温が下がってて。
寒い中立ち話しちゃってたから、体が冷えてるかも。
気付いちゃうと寒い。
ぶるっと震えた体を自分でぎゅっと抱きしめた。
「ごめん!潤!智くん!あとちょっとだけ待って!」
早く動かなきゃと思ったのに、何故か翔ちゃんが待ったをかけて、バッグをがさごそ漁り出した。
「翔ちゃん?」
翔ちゃんはリボンのかかった包みを取り出すと、俺に差し出す。
「え?」
「クリスマスプレゼント…受け取ってくれる?」
「俺に?」
「そう」
はいって渡されて、反射的に受け取ってしまった。