• テキストサイズ

キミのとなりで【気象系BL】

第15章 誕生祝い to MASAKI



「俺…翔ちゃん困らせてる…?」
「そんなことないよ!」

翔ちゃんはすぐ否定してくれたけど、沈黙が長かったから素直に信じられなくて。

「本当は、雅紀が行けないならイルミネーション見に行く必要ないって思ってたんじゃないの?なのに俺が勝手に行くって決めちゃったから…だから…」
「そんなことないってば!」

ついグチグチ言っちゃったら、翔ちゃんに少し大きめの声で遮られて、驚いて口を閉じた。

もしかして、困らせるどころか怒らせちゃったのかも。

「ごめんなさい…」
「違うよ、カズは何も悪くない…大きい声出してごめんね」

なんだか泣きそうなのを我慢して謝ったら、くしゃりと優しく頭を撫でられた。

「雅紀には悪いけど、俺も今日カズとイルミネーション見に行きたいって思ってた。だからカズが俺と同じ気持ちで嬉しかったよ。嬉しいのに困るわけないでしょ?」

優しい声につられるように顔を上げたら、翔ちゃんはいつもと同じ俺の大好きな笑顔を浮かべていて。

安心して今度は違う涙が溢れるかと思った。

「だって俺、ワガママ言っちゃったから…」
「ワガママだなんて思ってないけど…もしカズがワガママを言ってくれてたなら俺は嬉しいよ」
「うれしい?」

言われた意味がよく分からなくて思わず首を傾げたら、翔ちゃんは照れたようにはにかんだ。

「智くんや雅紀にしてるみたいに、俺にもワガママ言ったり…その、甘えてほしいって思ってたんだ」

その言葉にびっくりしてしまって。

「俺ずっと翔ちゃんに甘えっぱなしだよ?翔ちゃんがいやにならないか心配なくらいなのに…」
「全然!むしろもっと甘えてほしいよ!」

つい隠してた不安が口から出ちゃったら、翔ちゃんは力強く否定してくれた。

/ 803ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp