第15章 誕生祝い to MASAKI
散々今日はクリスマスじゃないって言い張った。
それは嘘じゃない。
今日は雅紀の誕生日>>>クリスマスイブっていうのは絶対だ。
でも、予想してなかった翔ちゃんからの提案。
雅紀が一緒に行けないのは俺もすごく残念だと思ってるけど。
雅紀の家が24日に雅紀の誕生日祝いとクリスマスパーティーをやるのは昔から毎年恒例の決まりごとで。
俺たちに気を使って嘘をついたとかじゃないのはよく分かってるし、今回は仕方ないと思う。
むしろ雅紀のために行かない方が、雅紀は気にして落ち込んじゃうのは目に見えてたから。
遠慮するのはやめた。
それに、単純に行きたいと思っちゃったんだ。
翔ちゃんとクリスマスっぽいことをしてみたいって。
人混みなんて大嫌いだけど。
イルミネーションなんて今まで全く興味なかったけど。
ほんのちょっとでいいからクリスマスデート気分を味わってみたいって…そんなこと思っちゃったんだよ。
「カズ…」
「ほんとはちょっと疲れてるけど、でも大丈夫だから…」
こんな疲れなんて、翔ちゃんと一緒に居れるなら全然気にならないから。
でも翔ちゃんは黙り込んでしまった。
もしかしたら本当は心配してるとかじゃなくて…いや、心配してくれてる気持ちもあるんだとは思うけど。
今日は雅紀の誕生日を祝うための日だから、雅紀がいないならイルミネーションなんて見に行かなくていいって翔ちゃんは思ってるのかも。