第15章 誕生祝い to MASAKI
ーNsideー
雅紀と別れて、イルミネーションを見るために移動しようとしてたら
「カズ、疲れてるんじゃない?大丈夫?」
翔ちゃんが心配そうに、そっと俺の頰に触れた。
俺、そんなに疲れた顔しちゃってるのかな…
正直言えばすごく疲れてる。
距離だけならディズニーランドの時のが歩いたと思うけど、疲労感は今日のが大きい。
やっぱり動物が得意じゃないからなのかな。
でもなんだかんだ俺も楽しかったし、何より雅紀がずっと楽しそうに笑ってたから、ちょっと疲れてるくらい全然いい。
全然いいんだけど、それでも翔ちゃんには心配掛けたくないから
「大丈夫だよ」
笑顔を作ったけど、翔ちゃんの顔は晴れなかった。
「無理に今日見に行かなくていいんだよ?たぶん今日はすごく混んでると思うし…イルミネーションはしばらくやってるみたいだから、雅紀と予定合わせて日を改めてもいいし…」
翔ちゃんは本当に俺のことを心配してくれてて。
来れなかった雅紀のことも気にしてて。
分かるよ。
それが翔ちゃんの優しさだって。
でもさ…
「…やだ」
「え?」
「…俺、翔ちゃんとクリスマスのイルミネーション見たい」
ワガママ言ってる自覚はある。
翔ちゃんがちょっと戸惑ってるのも気付いてる。
それでも…
「今日見たいんだもん」
どうしても譲れなくて。
目を丸くしてる翔ちゃんを祈るような気持ちでじっと見つめた。