第15章 誕生祝い to MASAKI
「まだこんな時間か…この後どうする?」
時計を確認した潤がみんなを見た。
もう暗いけど、時間的にはまだ17時前だ。
みんなには言ってなかったけど、実は俺には密かに考えてたことがあって。
「もしみんなまだ時間が大丈夫ならさ…」
そう言いかけたら、雅紀がものすごく申し訳なさそうな顔をした。
「ごめん…俺はそろそろ帰らなきゃなんだ」
顔の前で手を合わせて頭を下げる。
「家で誕生日祝いとクリスマスパーティーするから夕飯までに帰って来いって言われててさ…」
「そっか…いや、雅紀が行けないならいいんだ。じゃあ今日はもう帰ろうか」
それを聞いて、言いかけた言葉を引っ込めた。
残念な気持ちがないと言ったら嘘になるけど、提案するかどうか迷いもあったし。
1人でも行けない人がいるなら諦めようと思ってたから構わない。
カズも疲れてるみたいだし、きっと今日はもう解散にした方がいいだろう。
でも帰ると聞いた雅紀は焦ったような顔になってしまった。
「…ちなみに翔はこの後どこに行こうって言うつもりだったんだ?」
雅紀の表情をちらりと見た潤に聞かれて
「カズは怒るかもしれないけど…」
「俺?」
つい口ごもってカズを見ると、カズは急に自分の名前が出て驚いたように俺を見返した。
「やっぱり今日はクリスマスでもあるから…最後にみんなでイルミネーションを見に行くのはどうかなって思ってたんだ…」
カズがあれだけ今日はクリスマスじゃない、雅紀の誕生日だって言ってたけど。
今の時期しか見れないものだから、みんなで見れたらそれも誕生日の良い思い出になるんじゃないかなって思ったんだ。
「なんだ…何言われるのかと思ってドキドキしちゃった。そんなの怒らないよ」
恐る恐る口にしたけど、カズは可愛くニコッと笑ってくれた。