第15章 誕生祝い to MASAKI
「どっちもどっちだよなぁ」
「ねぇ」
潤と智くんは、ギャーギャー言い合う2人を笑って見てて。
俺も笑顔は作ってるけど、内心はやっぱり羨ましい。
カズと雅紀。
カズと俺。
その関係が違うのは当たり前で。
だから態度が違うのも当たり前で。
前に潤に言われて納得したのに。
頭では分かってるつもりだけど、こういう場面を見るたびに気持ちが追いついていないことを実感して、自分の小ささにがっかりする。
確実にカズとの距離は近付いていると思う。
入学直後を思い出せば、信じられないくらいの進展だ。
でも近付けば近付くほど。
仲良くなればなるほど。
もっともっとと求めたくなる。
カズの全てを見せて欲しい。
いつも俺に見せてくれる可愛いカズも大好きだけど。
雅紀に対してみたいに、俺にも何でもぶつけてほしいと思ってしまう。
遊んでるみたいな口ゲンカも、雅紀にだけちょっと口が悪くなるのも、素を曝け出してる証みたいで羨ましいんだ。
2人はしばらく言い合いを続けてたけど
「もう!こんな言い争い時間の無駄!さっさと続き見に行こ!」
カズはプリプリ怒りながら立ち上がると、それでも当然のように雅紀の腕を引っ張った。
どれだけケンカしても今日は腕を組むのを絶対やめないらしい。
「はいはい、行きますか」
仕方ないなぁ、なんて言いながらも雅紀は嬉しそうで。
智くんも当然みたいに反対の腕につかまると、ますます雅紀の顔が綻んだ。