第15章 誕生祝い to MASAKI

「だからね、最初からずっと雅紀にくっついて、雅紀が余計なこと考えたりとか出来ないようにしたらいいんじゃないかって思ったの」

ニノは恥ずかしいのか下を向いてぽそぽそ喋ってるけど、雅紀を大切に思う気持ちはしっかり伝わってくる。

ニノは雅紀に対して天邪鬼だから“雅紀が大好きだから楽しい誕生日を過ごさせてあげたい”って素直に言えなくて、それで口が重かったんだろうな。

全然恥ずかしがるようなことじゃないのになぁ。

ニノが目で、どうかな？って聞いてくるから

「うん、いいと思う」

今度は素直に頷いたら、ニノは安心したのか嬉しそうに笑った。

こんな計画、絶対翔くんがヤキモチ妬くって分かりきってるし、なんならショックも与えちゃうかもだけど。

雅紀だってニノのことが好きなんだよ。
1日中ニノがくっついてるなんて、雅紀絶対嬉しいよ。

雅紀のことだから翔くんに申し訳ないとか思っちゃうかもしれないけど。

俺も雅紀には誕生日を心から楽しんでほしいと思うし、それは翔くんや潤だって同じ気持ちだと思う。

「…でもさ、くっつくのは別にニノ1人でいいんじゃないの？」

たぶんその方が雅紀も嬉しいはずだけど。

「だめ！俺だけじゃ簡単に振り払われちゃうもん。だから2人掛かりで雅紀が逃げられないようにするの」

雅紀が嫌がって振り払うなんてことはないだろうけど、翔くんに遠慮してならあり得るかも。

そうなったら、確かに非力なニノ1人なら簡単に引っ剥がされてしまうだろう。

俺も同じことしてれば、ニノと雅紀のツーショットよりかは少しは翔くんのショックも減るかな？

雅紀もニノだけより俺も一緒のが少しは気が楽かな？

「わかった」

そんなことを考えて、こくりと頷いた。