第15章 誕生祝い to MASAKI
ーMsideー
雅紀の誕生日当日。
智とニノご希望のパンダを確実に見るために早めの待ち合わせになった。
雅紀の誕生日祝いなのに、主役以外の希望が優先されてる気がしなくもないけど…
まぁ先月の智の誕生日の時よりかはマシか。
苦手な早起きを頑張って、待ち合わせ場所に着くとまだ翔しか来ていなかった。
「…はよ。智たちはまだ?」
「おはよう。ああ、まだ時間前だからな」
時計を見ると確かに約束の時間までまだちょっとある。
智とニノと雅紀はいつも地元の駅で集まってから来るから、3人一緒に現れるのを翔と待つ。
「なぁ…」
「ん?」
暇なのもあって、ニノたちがいたら聞けないことを聞いてみることにする。
「もし今日が雅紀の誕生日じゃなかったらさ」
「うん?」
「ニノとクリスマスデートするつもりだった?」
「………はぁ?!そんなの出来るわけないだろ!!」
翔は一瞬キョトンとした後、すぐに真っ赤になってすごい勢いで否定した。
「そうなの?」
「そうだよっ!デートなんてしたことないのに…それをクリスマスになんて…」
いやいや、デートは散々してるだろうよ…と思うけど、今までのあれやこれやは翔的にはデートではないらしい。
「じゃあ動物園に来なかったらどうしてた?」
「うーん…普通に図書館かどこかで冬休みの宿題してたんじゃないかな…?」
翔は当たり前のことみたいに言うけど。
例え勉強するだけだとしても、クリスマスでも2人で過ごすのが当たり前って思えるのって結構すごいことだと思う。