第15章 誕生祝い to MASAKI
ただ潤は
「クリスマスに男5人で動物園か…」
なんてポツリと呟いてて。
全然悪意がないのは分かる。
ただの感想なんだろう。
気持ちは分かるし、なんなら俺だってそう思ってる。
だからこそ申し訳なさみたいなのが消えないっていうのもあるんだけど。
「ご…」
つい口から謝罪の言葉が出かけたら
「だからクリスマスとして行くわけじゃないって言ってるでしょ!」
俺を遮るようにニノがまた怒った。
「ごめんって!でも世間一般的にはクリスマスだろ…」
潤は謝りつつ、まだ少しモゴモゴ言ってたけど
「世間なんてどうでもいいよ!そんなの関係ない!世間は世間、俺たちは俺たち!」
ニノはスパッと切り捨てた。
それが俺にはすごく嬉しかった。
「…そりゃそうだな」
潤はニノの言葉に納得したのか素直に頷いた。
それからハッとしたように俺に視線を向けると
「せっかくの誕生日なのにごちゃごちゃ言ってごめんな、雅紀」
申し訳なさそうに頭を下げてくれた。
「気にしないでよ」
もともと怒るようなことでもないし。
それでもニノが怒ってくれたから、どっちかと言えば嬉しくなっちゃってる。
笑いかけたら潤も少し笑った。
「パンダ楽しみだね♡」
動物園と聞いて最初は微妙な顔してたニノも、智のおかげで楽しみになってきたみたいで。
でもパンダのことしか言わないから
「いや、パンダ以外も見るからね?」
「えー…」
「えーじゃないよ!」
当たり前と思いつつ一応釘をさしたら、口を尖らせた。
「ふふっ、ペンギンもいるみたいだよ」
「ペンギン♡」
「ほかの動物もきっと可愛いよ」
「うん♪」
智がニコニコしながらニノを宥めて気持ちを上げてくれて。
「連休だし混むよな…前売り券を買っておいた方が良さそうかな…」
「パンダを確実に見るなら開園前から並んだ方がいいんじゃないか?」
翔くんと潤は早速いろいろ調べながら計画を立て始めてくれてる。
俺の誕生日のために…って思うと胸がいっぱいになって。
俺って幸せだなって、またしみじみと思った。