第15章 誕生祝い to MASAKI
「いないの?あっそ」
慌てる俺に対して、ニノはそっけない返事しかしてくれなかったけど、どこかホッとしたように見えたのは気のせいかな。
「じゃあ24日でいいじゃん」
あっけらかんとニノは言うけど。
「いや、俺はいいんだけどさ…」
ちらりと翔くんと潤に視線を向ける。
「俺は大丈夫だよ。特に予定もないし」
「俺も」
2人ともにこやかに答えてくれるけど本当に?
本当はクリスマスデートに誘う予定じゃなかった?
「本当だから…」
「そんな疑いの目で見るなよ」
疑う気持ちが顔に出てたのか、2人が俺を見て困ったみたいに笑う。
「ほら!みんな大丈夫だって!決定!」
まだ躊躇う気持ちのある俺を無視してニノが強引に決めてしまう。
ああ、もう…
でも、こんな嬉しそうな笑顔見せられたらもう何も言えないや。
「で、場所は?どこに行く?」
「…うん。えっとね、久しぶりに動物園に行きたいなーって思ったんだけど、どう?」
みんなの好意をありがたく受け入れることにして、素直に答えてみた。
「動物園…?まぁ、いいんじゃないの…」
動物があまり得意じゃないニノは、否定はしないけど微妙な顔をしてる。
水族館であれだけはしゃいでたから、なんだかんだ動物園も楽しめるんじゃないかと思うんだけどな。
「雅紀は動物好きだもんね」
智はふにゃりと笑うと、そのままニノに笑顔を向けた。
「俺パンダ見たいな〜。ニノは見たくない?」
「…パンダ?……見たいかも♪」
さすが、ニノの気分を上げるのがうまい。
パンダということで自動的に行く動物園も決まった。
特に行きたい動物園が決まっていた訳じゃないから全然構わない。
「水族館も楽しかったもんね。動物園も童心に帰れそうだね」
ニノがニコニコしてるからか翔くんも嬉しそうだ。