第15章 誕生祝い to MASAKI
「他の日にしない?」
「なんで?」
俺の提案に、ニノは心底不思議そうに首を傾げた。
なんでって理由は分かりきってるでしょ。
「クリスマスだからさ…」
翔くんも潤も、それぞれニノと智と2人きりで会いたいでしょ?
大切な日を俺のために使わせるのは申し訳ない。
ラブラブなカップルたちの邪魔をしたくないんだよ。
そう思ってるのに…
「ちがう!」
ニノが突然怒った。
「は?何が?」
「俺にとっては12月24日はクリスマスイブじゃないもん!雅紀の誕生日だもん!」
ニノの言葉に胸が熱くなる。
ああ、そうだった。
ニノはずっとそうだ。
家族ですらクリスマスと誕生日を一緒にしたりするのに。
ニノだけは一度もそんなことしない。
“12月24日は雅紀の誕生日”
友だちになった時から、そう言い続けてくれて。
昔は自分の誕生日もクリスマスもあんまり好きじゃなかったけど、ニノのおかげで好きになれたんだ。
「俺にとってもそうだよ?12月24日は雅紀の誕生日。せっかくだから当日に祝おうよ」
智も優しく微笑んで、そんな風に言ってくれて。
なんか感動しちゃってちょっと泣きそうになってたら
「それとも雅紀なにか予定あるの?」
「…もしかして彼女出来たの?デート?」
智の質問の後、ニノがぽつりと呟いた。
「それなら仕方ないけどさ…なんで教えてくれないんだよ…」
えええー!?
なんでそんな話になるんだよ!?
ニノの拗ねた声にものすごく焦る。
涙も引っ込んだ。
「いやいやいや!出来てない!そんなんいないから!」
必死に否定する俺に、智と潤からは同情的な視線が向けられた。
2人は俺の気持ち知ってるからね。