第14章 誕生祝い to SATOSHI
「それにね、展望台は夜がいいって言い張ったのも、暗ければ下がよく見えないから高さをあんまり感じないんじゃないかって思ったみたいだよ」
「智は知ってたんだ?」
「うん、ニノに展望台行くの夜でもいいか聞かれたから」
ニノもちゃんと今日の主役である智には確認してたんだな。
「俺は夜景が見たいからいいよって」
智がニノにダメって言うわけないけど。
「ね?愛でしょ?」
「そうかもな」
同意したら嬉しそうに笑う。
「ニノはちゃんと人のこと見てるし考えてるから、ワガママに見せかけても本当は人のためだったりするんだよ」
優しく微笑む智こそ、ニノヘの愛に溢れてる。
こんなに想われてるニノがやっぱり羨ましいと思う。
「智がそうやって分かってくれてて、ニノは幸せだな」
「そうかな?」
智は照れたようにはにかんだ。
「あとは、翔くんにもちょっとずつワガママ言えるようになったんだなって思うよね。ニノが心を許して甘えてる証拠」
「翔が羨ましがってたやつだな」
前に智や雅紀が羨ましいって愚痴ってたやつ。
「あとは雅紀相手みたいな暴言か」
「それは雅紀だけの特権だから、難しいんじゃない?」
俺にもそんなこと言わないもんってクスクス笑う智はめちゃくちゃ可愛くて。
その可愛い笑顔に見惚れていたら
「あー、見失っちゃったね。ニノたちどこ行ったかな?」
智がキョロキョロと辺りを見回した。
話してる間にニノたちは人混みに紛れて見えなくなっていた。
「探すか?」
俺は出来れば智と2人がいい。
水族館では智と2人の時間があったけど、その後はずっとニノに独占されてたからな。それも俺でも妬くくらいベッタベタの甘々で。
でも智がニノと一緒がいいなら、もちろんその気持ちが優先だ。