第14章 誕生祝い to SATOSHI
「またじゃれてるの?仲良しだねぇ」
一応気をつけて小声で喋ってたつもりだったけど、やっぱり気付かれてしまったみたいだ。
智がのほほんと微笑みながら近付いてくる。
「仲良しじゃないし!」
ニノがぷぅっと膨れる。
「こら!そこは否定すんなよ!」
ただの天邪鬼だと分かってても地味に傷つくだろ!
「だって雅紀が智のこと好きって言うんだもん」
「え?何かダメなの?俺は嬉しいよ?」
「ほらみろ!」
ニノの理不尽な理屈に智が首を傾げるから、俺はドヤ顔で胸を張る。
そしたらニノはむっと口を尖らせた。
「俺のがもっと智のこと好きだもん!智は?俺と雅紀どっちが好き?」
うるうるな上目遣いで智を見つめながら首をこてんと傾ける。
これはわざとやってるな。
あざとい!でも可愛いからタチが悪いやつだ。
「2人とも好きだけどね。ニノは特別大好きだよ」
智だって、あざとさには気付いてるんだろうけど。
それでもニノには激甘だから、ちゃんとニノの求める答えを返してあげてた。
それを聞いたニノは、満足げににっこり笑うと
「智ー♡♡♡だーいすき♡♡♡」
またあっさりと俺たちから手を離して智に抱きついた。
智の腕の中からちらりと俺を見て、ふふんと勝ち誇ったような顔をする。
くそー!負けた!
…じゃなくて!!
いつから、どっちが智に愛されてるか競争になったんだよ!
…でもなくて!!
ニノが智と潤の邪魔するなって言い出したのがそもそもの始まりなのに、結局自分でまた邪魔しまくってんじゃん!
…とりあえず気付こうよ。
なんとも言えない顔してる潤とかさ。
何重にもショック受けてる翔くんとかにさ。