第2章 友だち
学食に着くと
「カズ、こっち!」
すぐにニノを呼ぶ声が聞こえた。
見れば櫻井くんが手を振っている。
「ねぇ、智。俺、櫻井くんとハジメマシテなんだけど···隣にいる松本くんも···俺も一緒でいいのかな?」
ニノが嬉しそうに走っていってしまったので、隣の智にこそっと聞く。
「大丈夫。さっきニノがもう1人一緒だって言ってたし。俺も同じクラスだけど、2人ともさっき初めて喋ったばっかだよ」
確かに2人がいるのは、6人掛けのテーブルだった。
「待たせちゃってごめんね」
「大丈夫だよ。パンは買えた?」
「うん!それにね、購買のおばちゃん優しいから、遅くなってもこっそり取っておいてくれたりするんだよ」
近付いていくと、ニノと翔くんが話してるのが聞こえてきた。
「そんな取り置きシステムがあんの?」
「うん。時々オマケもくれるんだよ」
ね、智?なんて、智に話をふる。
「ね。今日もオマケ入れてくれてたよ」
「それ全員してもらえるサービスなの?」
「そうなんじゃない?」
翔くんが驚いた顔で感心して、ニノと智もウンウン頷いてるけど。
そんなわけないでしょ。
「そんな話聞いたことないけど」
松本くんが呆れたような顔で突っ込む。
「とりあえず座ったら?」
立ったままだった俺たちは周りの注目を集めてしまっていて、慌てて座った。
櫻井くんと松本くんが向かい合って座ってて、当然のようにニノが櫻井くんの隣に座る。
その横に智が座ったから、俺は松本くんの隣になった。
まずは自己紹介かな。
「えっと、2組の相葉雅紀です。よろしく」
ペコッと小さく頭を下げる。
「櫻井翔です。よろしく」
櫻井くんも丁寧に挨拶してくれた。
「名前で呼んでね」
名前か···
「翔ちゃん?」
ニノはそう呼んでるよな~って思って、何気なく口に出したら
「ダメっ!!」
ニノにものすごい勢いで睨まれた。
怖っ!!
「翔ちゃんて呼んでいいのは俺だけなの!雅紀はダメ!!」
何その可愛い理由。
っていうか、そんなこと言ったらニノの気持ちバレちゃうんじゃないの?
他人事ながら心配になってしまって、櫻井くんに視線をやって驚いた。
だって、びっくりするくらいニヤニヤしてるんだもん。
イケメンが台無しだよ。