第14章 誕生祝い to SATOSHI
タイミングよくベンチが空いたから、そこにカズと智くんを座らせて、俺たちは近くで立って食べることにした。
近いけど、少しでも離れると落ち着かない。
どうしても周りの男がみんなカズを見ているような気がしてしまって、我ながら病的かもと呆れてしまう。
でもぴったりくっついたまま並んで座った2人は
「智、お誕生日おめでとう♡」
「ありがとう///」
クレープで乾杯したりしててやっぱり可愛くて。心配しないなんて無理だ。
「誕生日だから一口めは智にあげる♡あーん♡」
「あーん♡」
最初にカズが智くんに食べさせてあげて
「じゃあお礼にこっちはニノからね♡あーん♡」
「あーん♡」
次は智くんがカズに食べさせてあげて。
「おいしいね♡」
「ねー♡」
顔を見合わせてニコニコしてる2人は、もうどうしようもないくらい可愛い。叫びたくなるくらい可愛い。
ヤキモチを妬くことも忘れて、ただただ可愛い2人に見惚れてしまう。
「可愛すぎんだろ…」
潤がちょっと呆然としたように呟くのが聞こえて。
見たらクレープを握り締めながら智くんをガン見してた。
潤だって心の声漏れてんじゃん。
でも分かる、分かるよ。
あの2人めちゃくちゃ可愛いもんな。
カズたちは俺たちの視線に気付いた様子もなく、クレープを食べたり食べさせたりし続けてて。
「クリームついてる!子どもみたーい!」
カズが笑いながら智くんの顔を指差したと思ったら、智くんの口の横についたクリームを指で拭ってそのままペロッと舐めた。
でもそういうカズの口の周りにもしっかりクリームがついてて。
「ニノもついてるじゃん」
クスクス笑いながら今度は智くんがクリームを拭ってあげて。
笑われたカズは少し膨れたけど、すぐにプッと吹き出して、また智くんと顔を見合わせてクスクス笑った。