第14章 誕生祝い to SATOSHI
カズたちが見たがったクリスマスバージョンの水中パフォーマンスや餌やりも見て。
一通り見終わって、智くんもカズも満足したところで一度外に出ることにした。
また日が暮れてから再入場する予定だ。
「智、甘いの食べる?」
「うん…でも、どこもすごい人だね。並んでまでは食べなくていいかな…」
どこかで休憩でもって話になったけど、どこもすごい人で。
行列を見た智くんはちょっと嫌そうな顔をした。
「えー…智甘いの好きなのに…ケーキでお祝いしないの?」
でもカズがちょっとしょんぼりしたのを見ると
「うーん…じゃあクレープ!クレープ食べよ!」
ちょうど目に入ったのか、クレープ屋さんを指さした。
「クレープでいいの?」
「うん」
「クレープも並んでるよ?」
「お店よりは回転早いだろ、きっと」
そこもかなりの行列が出来てたけど、潤のフォローでカズも納得したのかおとなしく列に並んだ。
「ニノ何にする?」
「チョコバナナ!」
「ニノはぶれないねー」
「これが一番美味しいもん♡智は?」
「迷ってる…俺もチョコバナナにしようかな…」
「智は違うのにして!分けっこして食べよ♡」
「わかった…じゃあイチゴにしようかな」
「いちごー♡」
並びながらメニューを選ぶ2人から可愛いやり取りが聞こえて来る。
「智の好きなの食べさせてやれよ…」
潤は呆れた顔をしてるけど
「分けっこだって…いいなぁ…」
俺は羨ましさしか感じない。
俺にもあんな可愛いおねだりしてほしい。
「お前心の声めっちゃ漏れ出てんぞ!」
心の声が口から出てたらしい俺は、潤に突っ込まれて、雅紀にはうひゃひゃと笑われた。
「翔くんは俺と分けっこする?」
「いや、遠慮しとくわ…」
同情してくれたのか雅紀がそう提案してくれたけど、それは丁重にお断りしておいた。