第14章 誕生祝い to SATOSHI
しばらく笑ってた雅紀は、ふっと笑うのをやめると穏やかな微笑を浮かべてニノたちを見た。
「智も、ニノもさ…2人と仲良くなってからあんなに可愛くなったんだよ。前はあんなじゃなかった…」
あ、顔はずっと可愛いけどねーなんて付け足して、くふふっと笑う。
「翔くんと潤があの2人を可愛く変えたんだよ」
優しい笑顔で、でもちょっとだけ寂しそうで。
親友の変化や知らなかった一面を知った時のなんとも言えない気持ちは、俺もニノに恋をしてからの翔で嫌ってほど知ってる。
だから、雅紀の気持ちは少し分かる。
俺は以前の智を知らない。
当たり前だけど、俺が知ってるのは俺と出会ってからの智だけだから。
確かにニノは翔と親しくなってからどんどん可愛さが増してる。付き合いが長くない俺だって分かるくらいに。
ニノを可愛くしてるのは確実に翔だろう。
智も最近すげー可愛いけど、それは俺の智を見る目が変わったせいだと思ってた。
でも違う?それだけじゃない?
智もニノみたいに誰が見ても分かるくらい変わった?
以前から仲が良い雅紀がそう言うんだから、きっとそうなんだろう。
雅紀が言うように、もし智が可愛くなった理由の中に俺の存在もあるなら嬉しい。
俺も視線を智たちに戻すと、智がニノの頰を両手で包んで、おでこをくっつけてて。
そのままキスでもしそうな距離で何やら喋ってて。
智とニノがべったりなのはいつものことだけど、いつにも増して近すぎじゃね?
今さらニノにヤキモチなんて妬かないと思ってたけど、さすがにその距離はちょっとハラハラする。
翔はハラハラどころじゃなさそうだけど。
「あのスキンシップは前からだけど、最近過剰だよね」
雅紀は翔の顔を見て、おかしそうにまた笑った。