第14章 誕生祝い to SATOSHI
ふと周りを見れば、本当にちっちゃい子たちにガン見されてて、なんだかものすごく恥ずかしくなった。
ニノも恥ずかしかったのか、ちょっと赤くなってるくせに
「もう!雅紀のせいで!」
ちっちゃい声でまだそんなことを言う。
「お前な…」
「恥ずかしいからもう移動しよ!」
言い返してやろうと思ったけど、ニノはさっさと俺に背を向けると、智の袖を引っ張った。
「智!あっち行こ?」
でも智は無反応だ。
そう言えばさっきから智の声を聞いてないな。
「……智?」
みんなで智を覗き込んでみるが、智はじっと水槽を見つめたまま瞬きもしない。
「集中モードに入ってんな、これ」
「頭にスケッチしてるのかもね」
潤とニノが優しい目で智を見つめてクスッと笑った。
「智には俺がついてるから、先進んでていいよ」
「分かった!智をよろしくね」
潤がそう言うと、ニノはあっさり任せることにしたみたいだった。
たぶん最初から智と潤を2人きりにしてあげようと思ってたんだろう。
入って早々過ぎる気はしなくもないけど、それは俺も思ってたから異論はない。
ただ、ニノと翔くんも2人になりたいんじゃないのかな…
俺、邪魔じゃない?
「カズ、手繋ごう?さっきからすぐどっか行っちゃうから、このままだと迷子になっちゃうよ」
翔くんがニノの手を取ると、ニノはポッと頬をピンクに染めた。
「ごめんね…すごく楽しくて…」
きゅっと翔くんの手を握り返しながら、しおらしく謝るニノ。
さっき俺をバカバカ言ってたやつはどこに行ったんだ?
「謝らないでいいんだよ。でも心配だからもう離れないでね?」
「うん///」
ああ、飛び交うハートが見える。
俺は1人でまわろうかな。