第14章 誕生祝い to SATOSHI
「特にこれといってないけど…ニノは何か見たいのある?」
「えっとね、ペンギン!空飛んでるやつ!」
俺は特に希望もないからニノに聞いてみたら、意外にもすぐに答えが返ってきた。
いつもなんでもいいって言うのに珍しい。
もしかして前から行きたかったのかな。
ペンギン見たいとか可愛いな。
「いいね、俺も見たいな」
「じゃあそこにしようか」
「わぁい♡」
否定する要因が何もないから行き先はあっさり決まった。
翔くんがさくっと決めて、更に調べてくれる。
「ネットで前売り券買えるな…あ、展望台とのセット券とかもある…」
「展望台も行きたーい♡夜景とか見たいなー♡」
「じゃあセット券にしよう」
「うん♡」
「いや、智の意見も聞いてやれよ!」
ニノの意見だけ聞いてさくさく進める翔くん。
潤が突っ込んでくれてるけど、俺は別になんでもいいし。
ニノが楽しそうだと俺も嬉しいし。
それに、ここまでニノだけにまっすぐな翔くんは清々しくて、俺的にはかなり好感が持てる。
「楽しみだねー♡」
無邪気に喜ぶニノを横目に
「…結局ニノが行きたいとこじゃん」
「智ってニノに甘いよね」
潤と雅紀が何やらこそこそ言ってるが無視だ。
自分で言うのも何だけど、俺がニノに甘いのなんて今に始まったことじゃない。
自覚は十分すぎるくらいあるもんね。
「智の好きな甘いものも食べようね♡」
「うん♪」
行く場所なんてどこでもいいんだよ。
祝いたいって思ってくれる気持ちが嬉しいんだから。