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キミのとなりで【気象系BL】

第13章 体育祭



翔ちゃんのその姿になんだか感動してしまって。
胸がいっぱいになって、涙が滲んでくる。

「カズ!!!」

翔ちゃんはゴールで足を止めることなく一直線に俺のところまで走ってきてくれて。

「翔ちゃん!」

俺は何も考えられずに翔ちゃんに駆け寄ってそのまま飛び付いた。

翔ちゃんはしっかり受け止めて高く抱き上げてくれる。

「翔ちゃん…翔ちゃん…」

胸がいっぱいすぎて、バカみたいに翔ちゃんの名前を呼ぶことしか出来ない。

そんな俺を翔ちゃんはぎゅっと抱きしめてくれた。

「ありがとう…カズのおかげだよ…」

まだ呼吸も整ってないのに、荒い息のまま俺にありがとうって言う。

「俺なにもしてない…翔ちゃんの力だよ?」

本当に俺は何もしてなくて。
なんならリレーに出たくなくてちょっとズルしちゃったくらいだし…

こんなに頑張った翔ちゃんに対して恥ずかしくて、俯きがちになってしまう。

でも翔ちゃんは優しく笑いかけてくれた。

「違うよ、カズが応援してくれたから…カズがいてくれたから頑張れたんだ」
「そんなこと…」
「今日はカズのためだけに戦ってたんだよ?」

抱き抱えられたままだから、ものすごい至近距離でまっすぐ見つめられて。

キラキラの笑顔でそんなこと言われたら勘違いしたくなっちゃうよ。

翔ちゃんはそんなつもりで言ってなくてもさ、王子さまスマイルの威力は半端ないんだから…やめてほしい。

「約束通りカズに優勝をプレゼント出来て良かった」

にっこりキラキラな翔ちゃんの笑顔。

うそ。
やっぱりやめないで。

やっぱりずっとその笑顔を見ていたい。

違うって分かってるから。
勘違いもしないから。

ずっとずっと俺にその笑顔を見せて。


翔ちゃんがくれたプレゼントは翔ちゃんの笑顔と一緒にキラキラ胸の真ん中で輝いて。

どうでもいいって思ってたはずの優勝はすごくすごく嬉しくて。

一生忘れない思い出がまた1つ増えた。

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