第13章 体育祭
校庭のすみっこにある大きな木の下にピクニックみたいにレジャーシートを敷いて。
みんな座ると、ニノが大きな保冷バッグから次々にお弁当を出した。
翔くんが抱えてたのはニノのお弁当だったのか…
「どうぞ召し上がれ♡」
「うわー!!すげー!!ありがとう、カズ!!」
目の前に広げられた色とりどりなお弁当に、翔くんの目が輝いた。
豪華なんてもんじゃない。
唐揚げにエビフライにミニハンバーグに野菜の肉巻き、卵焼きにポテトにサラダに… おにぎりだって具を変えて何種類もあるし、サンドイッチもあるのに。
「お蕎麦もあるんだよ♡」
ニノが新たに蓋を開けたタッパーの中には一口サイズに丸められたお蕎麦が綺麗に並んでいた。
しっかり麺つゆや薬味まで用意されてる。
「蕎麦!?」
「翔ちゃん好きでしょ?」
「大好き!」
「ふふ、知ってる♡」
目をまん丸にして驚く翔くんに、ニノが嬉しそうに笑ってお蕎麦を取り分けてあげてる。
「ありがとう!いただきます!」
早速食べ始めた翔くんは
「冷たっ…うまいっ!まさか弁当で蕎麦が食べれるなんて……」
口に入れるなり、感動してた。
「今日は暑いから、すごくいいね!」
「たくさん食べてね♡」
嬉しそうにニコニコしてるニノに
「ねぇ、今日何時に起きたの?」
「……4時」
翔くんに聞こえないようにコソコソ聞いたら、恥ずかしそうにぽそっと教えてくれた。
いくら少なめとは言え、自分だって競技に出るのに…
「愛だね」
「………ばか///」
思わず呟けば、真っ赤になったニノに叩かれた。
可愛いなぁ、もう。
「たくさんあるから智も潤くんも食べてね!」
「あ、ああ…ありがとう…」
呆気に取られたようにニノのお弁当を見ていた潤も
「ニノのほど豪華じゃないけど…良かったら…」
少し照れたようにお弁当を差し出した。