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キミのとなりで【気象系BL】

第12章 文化祭



「智も後ろでいいの?前がいいなら付き合うけど」

潤が俺にも聞いてくれる。

「俺も人混みキライだから後ろでいいよ」
「そっか」

答えを聞いた潤は、さっきの翔くんみたいな…どこか安心したような顔になった。

意外と潤も心配性なとこあるもんな。

俺はニノみたいに可愛いわけじゃないんだから、そんなに心配する必要ないんだけどね。

「お前らさぁ…別にいいけどさ、ちょっとは俺たちの意見も聞けよ」

呆れたように潤がニノたちを見ると

「だって智が人混みキライなの知ってるから、智には聞く必要ないもん」
「なんだよ!俺にも聞いてよ!」

ニノがわざと冷たいことを言うから、俺も乗っかってみる。

「やだよーだ」
「なんでだよ!」

ケンカごっこ。

でも2人して言い合いながらニヤニヤしちゃうから本気じゃないのはバレバレで。

そんな俺たちのやり取りを、潤たちも笑って見てた。


講堂の後ろの方はガラガラだったから、ニノと並んで壁に寄りかかる。

「智たち今日は何してたの?」
「えー?適当にぷらぷら?」
「なんで疑問形なのよ」

ニノがおかしそうにケラケラ笑う。

「歩いてたら次から次から潤の知り合いに声掛けられてさ。誘われるままにあっちこっち覗いてきた」
「へぇ。やっぱり潤くんも人気者だねぇ」

感心したようにニノが目をくりくりさせる。

「持ち上がりだから知り合いが多いだけだよ。ま、翔ほどじゃねーけどな」

潤はあっさりしてるけど、絶対それだけじゃない。

声掛けてきた人たちみんな嬉しそうに潤と話してたじゃん。

それもかなりの人数。

カフェでは女の子たちにキャーキャー言われてさ。

ニノじゃないけど、ヤキモチ妬きたくなる気持ちは俺にも分かった。

まぁ、妬いてもどうしようもないから妬かないけど。

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