第12章 文化祭
答えを求めて斗真を見てたら
「そんな可愛い顔で俺を見つめるな!翔に殺される!」
「翔ちゃんに…??なに言ってるの??」
ますます訳の分からないことを言われて。
翔ちゃんの名前が出たから、何気なく翔ちゃんの方を見たら、そのまま動けなくなった。
だって翔ちゃんが見たことないような怖い顔してる。
なんか睨まれてる?
俺、何か怒らせるようなことをしちゃったんだろうか?
原因を必死に考えたら、思い当たることは1つしかなかった。
たぶん、翔ちゃんは裏より表の方がいいんだ。
そうだよね、表なら女の子たくさんいるもんね。
裏だとお客さんと全然接しないもん。
翔ちゃんも裏がいいなんて…
女の子と接して欲しくないなんて…
そんなのただの俺のワガママだ。
俺と文化祭まわってくれたのだって、先に約束してたからで。
本当は女の子たちとまわりたかったのかもしれない。
翔ちゃんは真面目だから、俺との約束を守ってくれたんだ…優しいから俺が1人になったら可哀想って思ってくれたのかも。
俺のせいで女の子と遊べなかった上に、俺のせいで勝手に裏にまわされて…だから翔ちゃん怒ってるんだ。
「ごめんなさい…」
「えっ!?なんでカズが謝るの!?」
なんだかものすごく悲しくなったけど、それ以上に申し訳なくて。
謝ったら、翔ちゃんはびっくりしたように目を丸くした。
「俺のせいで翔ちゃんが裏にまわされちゃったから…ごめんね…」
「俺はカズと一緒に裏に入れるなんてすごく嬉しいよ?」
焦ったみたいにフォローしてくれる翔ちゃんは、もう怒ってはなさそうだけど。
その言葉をそのまま信じることは出来なかった。