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キミのとなりで【気象系BL】

第12章 文化祭



「斗真?そのかっこ…どしたの?」

斗真は裏担当なのに、どうしてメイド服を着てるんだろう?

お化粧までしてて、すぐにでも表に出れそうだ。

もしかして誰か欠席者が出てピンチヒッターで表に行くのかな?

首を傾げていたら、タッキーが翔ちゃんの肩をポンと叩いた。

「翔、今日は裏な」
「へ?」
「え?!なんで?!」

翔ちゃんも驚いてたけど、それ以上に俺のがびっくりしちゃって。

つい大きな声が出ちゃったから慌てて口を押さえた。

表はお客さんいるんだった。

「斗真が代わってくれたんだよ」

タッキーが斗真を指すと、斗真は照れたように笑った。

「翔が表だとニノの元気がなくなるからな」
「翔は客のあしらいが下手だから色々トラブルも起きるし。他の客の迷惑だ」

タッキーがついでのように理由を並べるけど。
2人とも俺を見る目が優しくて。

俺のために代わってくれたんだって分かった。

どうしよう…泣きそうだ…

「タッキー!ありがとう!」

胸がいっぱいになって、思わずタッキーに抱きついた。

優しさが、気遣いが、すごくすごく嬉しい。

「斗真も!ありがとう!」

タッキーから離れて、斗真のことも抱き締める。

「ありがとう!大好き!」

ありったけの感謝を込めてそう伝えたら、何故かものすごく焦った顔した斗真に引き剥がされた。

「分かった!分かったから離れて!ニノ!」
「なんで?」

タッキーを見たら、タッキーもなんだか微妙な顔をしてる。

いつも智とも翔ちゃんとも普通にしてるから気にしてなかったけど、男に抱きつかれるなんて気持ち悪かったのかも。

「やだった?ごめんね」
「いやじゃないよ!ニノとハグ出来るなんて、むしろウェルカムだ!」

謝ったら、謎の返答。
いやじゃないなら、なんでこんな反応なんだろ?

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