第12章 文化祭
ーNsideー
あっという間に文化祭当日がやって来た。
教室は智たちの手によって可愛らしいカフェに変身した。
パステルカラーを基調とした空間にリボンやレースや花がふんだんに飾られてて。
女子が好きそう。
男の俺でも、すごく可愛くてちょっとウキウキするもん。
さすが智だよね。
なんだか俺が誇らしい。
俺と翔ちゃんは今日は午前中の担当。
智と潤くんは午後。
本当は一緒が良かったけど、美人さんは分けたいんだって。
確かに翔ちゃんと潤くんっていう人気者が揃って、しかもメイドだなんて、お客さんが殺到しちゃうよね。
智もめちゃくちゃ可愛いしね。
仕方ないか…
智と文化祭を一緒にまわれないのはすごくすごく残念だけど、理由が納得出来たから諦めた。
翔ちゃんとは一緒だから、我慢するもん。
「カズ、準備出来た?」
裏で最終確認をしてたら、翔ちゃんが顔を出した。
翔ちゃんはメイド服を着てお化粧までしてすっかり準備万端。
「わぁ♡翔ちゃんがますます美人さんになってる〜♡」
「そんなことないって///」
照れて恥じらう姿がめちゃくちゃ可愛くて。
こんな可愛くて大丈夫なのかな…
ナンパとかされちゃうんじゃないのかな…
「翔ちゃん可愛すぎるから気をつけてね?」
「カズの方こそ気をつけて!ずっと裏にいてね!絶対表に出てきちゃダメだからね!」
本気で心配になって真剣に伝えたのに、その10倍くらいの熱量で逆に注意された。
「何かあったら呼んでね!すぐ行くから!」
「う、うん」
翔ちゃんの勢いにのまれてコクコク頷いてたら
「裏方なんだからなんもねーだろ!クラスメイトを信じろよ」
隣で同じく確認作業をしてた斗真が呆れたように口を挟んだ。