• テキストサイズ

キミのとなりで【気象系BL】

第12章 文化祭



ニノのおかげで翔の機嫌はすぐ直ったものの、そのままイチャイチャモードに入ってしまって。

くっついたままハートを撒き散らし始めた2人を、なんとなくクラス中で見守ってしまっていたけれど、はたと我に返った。

いやいや、こんな呑気に見てる場合じゃねぇな。
これじゃいつまでたっても話し合いが終わらない。

2人のそばに近付いてとりあえず目線で訴えてみたけど、周りが見えていない2人は視線どころか俺の存在にすら気づかない。

「んんっ…」

わざとらしい咳払いをしてみても、耳に届いていない様子だ。

仕方ない、実力行使しかないか。

「イチャつくのは後にしろ!!話し合いが進まねーだろ!!」

声を掛けながら、ニノを抱き締めて離さない翔を力づくで引き剥がす。

そのまま引きずって戻ろうとしたら

「カズー!!」
「翔ちゃーん!!」

お互いの名前を呼びながら手を伸ばし合ってて。

ジタバタする翔と、寂しそうに遠ざかる翔を見つめるニノ。

いや、大袈裟すぎんだろ。

お前らはロミジュリか!
まるで俺が2人の仲を引き裂こうとしてる悪役みたいじゃねーか!

同じ教室内にいるんだから、離れるっつったってほんの数メートルだろうよ。

今生の別れみたいに騒ぐなよな。

呆れて脱力しそうになるが、ぐっと力を込めて堪える。

「潤!離せっ!」
「団体行動なんだからちょっとはイチャイチャを自重しろ!協調性を持て!」

翔は筋肉がある割にそんなに力があるわけでもないから、多少暴れられてもなんてことない。

説教しながら、元の場所まで連れ帰った。

/ 803ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp