第12章 文化祭
「ごめんね、びっくりしたよね」
謝ると、カズはふるふると首を横に振った。
「翔ちゃんもさみしいって思ってくれたんだ…」
ポツリと呟くと、また俺を見上げて
「俺とおんなじだね」
それはそれは嬉しそうに笑った。
その可憐な笑顔に心の中の醜い感情が浄化されていく気がした。
カズを抱く腕に力を込める。
「やっぱりカズと一緒がいい…離れたくないよ…」
「翔ちゃん…///」
カズも俺の腕をきゅっと掴んでくれて。
カズも離れたくないって言ってくれてるみたいで。
ああ、もう!!本当に可愛い!!
このまま離したくない!!
心の中でひたすら身悶えていたら
「イチャつくのは後にしろ!!話し合いが進まねーだろ!!」
突然現れた潤に無理やり引っぺがされてしまった。
「潤!何すんだよ!」
「何すんだじゃねーよ!」
声を荒げても潤は全く気にせず、そのままズルズル引きずられる。
「カズー!!」
「翔ちゃーん!!」
潤は意外と力が強くて、カズに手を伸ばすけど全然届かない。
カズは寂しそうに遠ざかる俺を見つめてて。
「潤!離せっ!」
「団体行動なんだからちょっとはイチャイチャを自重しろ!協調性を持て!」
なんとか潤の手から逃れようと頑張ってみたけれど、抵抗むなしく、あっという間にメイドチームへ強制送還されてしまった。