第12章 文化祭
「ニノどうしても無理かな?」
諦めの悪いやつが、恐る恐る智に尋ねると
「無理強いしたら、ニノ文化祭来ないかもね。まぁその前に、そんなこと俺が許さないけどね」
智はにっこりと微笑んだけど、目が笑ってなくて怖え!!
メイド姿なのが余計に怖え!!
「仕方ない…ニノは諦めるか…」
みんなも同じ恐怖心を感じたのか、ガックリと肩を落とした。
気の毒になるくらい落ち込んでいたが、めげない彼らはすぐに顔をぐっと上げると
「智はメイドやってくれるよな?」
「頼むよ!な?な?」
ニノは諦めたと言いながら、智に縋るように泣きつく。
「俺?ニノみたいに可愛くないけどいいの?」
キョトンと首を傾げる智には、やっぱり自分の可愛さに対する自覚がない。
「いや、智もめちゃくちゃ可愛いから!」
「ニノと同じくらい可愛いよ!」
智は逃すまいと必死に言い募るやつらに、困ったような顔をしていたが
「2人にメイド姿で並んで欲しかったなぁ」
まだニノを諦めきれないやつがいたらしく、小さな呟きを聞くなりその目が吊り上がった。
「なに?!ニノはやらなくていいって言ったの嘘なの?!」
「嘘じゃないです!ニノがやりたくないならやらなくていいです!」
前言撤回が早い。
まぁ、それくらい今の智は怖いんだけど。
「だから、智だけでも頼むよ」
拝まれた智は微妙な顔をしてたけど
「ま、俺は別にいいよ」
意外とあっさり引き受けた。
「マジで!?やったー!!!」
智がオッケーするなり、歓喜の雄叫びが上がった。