第12章 文化祭
ーMsideー
「なに揉めてたの?」
智は着替えに戻らず、メイド姿のまま端に寄せてあった机にどかっと座った。
翔とニノを2人にしてやりたいんだろう。
それはいいんだけどさ…
「お前まだスカートなんだから、足広げて座んな!」
智がいつも通り足を広げて座ってるもんだから、スカートが捲れ上がって何だか際どいことになってる。
思わず注意すると
「何だよ、別に男のパンツなんて見えたってどうってことないだろ」
智は全く気にしてないみたいだけど、こっちはめちゃくちゃ気になるっつーの!
俺だけじゃなくて、周りのやつらも目のやり場に困って視線が泳ぎまくってる。
「いいから足閉じろ!」
無理やり膝をくっつけて、ついでにスカートの乱れも直してやる。
「潤、年頃の娘を持つ母ちゃんみたいだぞ?」
「うっせ!」
智はケラケラ笑うけど、この際何とでも言ってくれて構わない。
あんなカッコのまま居られたら目の毒だ!
「で?」
ケラケラ笑い続けてるから油断してたら、突然、智に上目遣いで覗き込まれて焦った。
メイド服でちょこんと座ってさ、足も内股気味で…いや、それは俺がやったんだけど。
とにかく、今の智はそこらの女子なんか目じゃないくらい可愛い。
頼むから今の自分がめちゃくちゃ可愛くて、破壊力が半端ないことを自覚してほしい。