第12章 文化祭
メイド服はサイズごとに2着ずつ用意されてて、更にウィッグまで準備されてて。
それをみんなが交代で着ていくんだけど、これが大盛り上がりだった。
着替えて誰かが出てくる度に、似合わねーっ!と大爆笑したり、意外と似合ってて感嘆の声が上がったり。
一番大きいどよめきが起こったのは潤と翔くんが着替えて出てきた時だった。
2人ともすごい美人になってて驚いた。
さすが、イケメンは女装も似合うんだな。
「翔ちゃん、すごい!すごい綺麗!!」
ニノが目をキラキラと輝かせて翔くんに飛びついていく。
「やめてカズ···恥ずかしいから」
「なんで?とっても似合ってるよ?」
「いや、嬉しくないし…」
翔くんはニノを受け止めながらも、真っ赤になって顔を背けて。
でもニノは、そんなのお構いなしに“可愛い♡綺麗♡美人♡”と褒めまくり、パシャパシャ写真を撮りまくってる。
本当に恥ずかしそうに照れる翔くんはなんだかめちゃくちゃ可愛い。
隣の潤も恥ずかしそうな顔で所在なさげにしてて、やっぱりめちゃくちゃ可愛くて。
「潤、似合うね。すごい美人だよ」
素直に感想を伝えたら、すごい睨まれた。
「からかうな!」
「ちがうよ。本当に似合うなーって思うから褒めてるだけ」
メイド姿で睨まれても全然怖くないもんね。
俺もニノのマネをして潤の写真を撮ってみる。
「おまっ、こんなの写真撮るんじゃねーよ!」
「ちょっとは笑ってよ」
潤はますます怒るけど、怒ってても美人なんだからすごい。
「せっかくだから、2人のツーショットも撮らせて♡」
ニノは機嫌が悪かったことも忘れて、すっかり楽しんでる。
「えぇっ…」
「やだよっ」
翔くんも潤も嫌がったけど
「いいでしょ?ね?ね?お願い♡2人の写真が撮りたいの♡」
ニノが必殺うるうる上目遣いで甘えながら懇願したらあっさり折れてくれたから、俺たちは心置きなくツーショット写真を撮りまくった。