第11章 誕生祝い to JUN
ーMsideー
週末みんなに誕生日を祝ってもらった。
誕生日会だなんて照れ臭いしくすぐったい気持ちになったけど、すげー楽しかったし、単純に嬉しかった。
友だちに恵まれてる、俺は幸せだって、改めてそんなことを実感できた。
…で、気分的にはもう誕生日は終わった気になってたけど、実際は今日が誕生日当日。
今晩は母さんと姉ちゃんが祝ってくれるらしい。
母さんは忙しい人だけど家族のことは本当に大切にしてて、誕生日とか記念日とかは絶対家族揃ってお祝いする。
普段忙しい分余計にそういう日を特別に思ってるのかもしれない。
今年は父さんはいないけど、フランスで前倒しで祝ってもらったし。
高校生になっても、子どもの時と変わらず家族が祝ってくれるのもありがたいことだなって思う。
そんなわけで夜は家族での誕生日祝いだけど、日中はなんらいつもと変わらない夏休みの1日で。
今日もいつも通り、弁当作って美術室で智と過ごすつもりだった。
夕方になりゃ翔とニノが来るだろうし、バスケ部に顔を出せば雅紀にも会える。
なんにも特別なことはないけど、夏休み中なのに誕生日に好きなやつや大切な友だちに会えるのも幸せなことだよなーなんて考えてた。
それが。
何故か今、俺と智は俺の部屋にいる。
2人きりで。