第11章 誕生祝い to JUN
クラッカーは予想していなかったのか、突然の破裂音に驚いたらしい潤くんは目を丸くして固まってる。
ロウソクを吹き消すことも忘れてるみたいだったから
「潤くん!早く吹いて!ロウが垂れちゃう〜!」
「あ、ああ!悪い!」
声を掛けたら、慌てたように吹き消した。
「おめでとう〜!」
「おめでとう、潤!」
パチパチ拍手してたら、電気が点いた。
点けてくれたのはやっぱり翔ちゃん。さすが♪
明るくなると潤くんが照れまくってるのがはっきり分かった。
でも指摘したら怒りそうだから、気付かないフリをする。
「ケーキ5等分てどうやって切るの?」
「一切れ72度で…」
「そんなの無理!」
「諦めて6等分にしよ」
「結局大きさバラバラじゃん」
ケーキを切り分けるだけでも大騒ぎして、でもそれも楽しい。
「はい、潤くんの」
「サンキュ」
一番大きいのはプレートを乗せて潤くんへ。
嬉しそうな潤くんはやっぱり可愛くて、ちょっとイタズラ心が湧いてくる。
「潤くんおめでと♡はい、あーん♡」
自分のケーキを一口すくって潤くんの口元へ差し出してみたら
「おまっ…シャレにならないからやめろ!翔が…」
潤くんはやたら焦って翔ちゃんを気にする。
なんか思ってた反応と違うんだけど。
「翔ちゃんがどうしたの?」
不思議に思って振り向いても翔ちゃんはいつも通り。
なんでもないじゃん…と思ったら、翔ちゃんがニヤリと笑った。
「おめでとう、潤。俺からも、あーん」
翔ちゃんもケーキを一口潤くんに差し出す。
「はぁっ!?」
まさか翔ちゃんがそんなことするなんて思ってなかったのか潤くんが動揺すると
「俺も俺も!潤、あーんして!」
面白がった雅紀まで乗っかってくる。