第11章 誕生祝い to JUN
あっという間にあらかた皿が空っぽになった。
あんなに作ったのにすごい。
「ケーキすぐ食べれる?」
「食べれるよ」
お腹いっぱいなら後がいいかなと思ったけど、潤くんはあっさり答える。
翔ちゃんも雅紀もまだまだ食べれそうだから、花火の前にケーキも食べちゃうことにした。
「潤くんは座って待っててね!」
率先して片付けをしようとする潤くんをなんとか押しとどめて、4人でどんどんお皿を下げていく。
タイミングを見計らって流しにいる智にそっと近付いて、水音に紛れるくらいの声で気になってたことを聞いてみた。
「智、絵渡すの?」
「ううん、今日は渡さない」
智も小さい声で、でもはっきり答える。
まぁ、予想通りの答えかな。
潤くんにしか見せないって言ってたもんね。
きっと当日、2人きりの時に渡すんだろう。
すっごく気になるけど、邪魔なんて出来ない。
あとで話は聞かせてほしいけどね。
「わかった…ケーキ出そ♪」
さっさと話を変えて、冷蔵庫からケーキを取り出した。
翔ちゃんが予約してくれたのは、色とりどりのフルーツが乗ったショートケーキ。
既に誕生日プレートが乗ってるから、その横に1と6のロウソクを刺す。
火をつけたら翔ちゃんが電気を消してくれて。
いつの間にかカーテンも閉められてて、部屋が真っ暗になった。
「♪Happy Birthday to you〜」
せーので4人で歌いながら潤くんの元にケーキを運んでいく。
「♪Happy Birthday to you〜」
ロウソクの炎でぼんやり見える潤くんの顔は照れまくってて。
「♪Happy Birthday dear JUN〜」
そっと潤くんの前にケーキを置いて
「♪Happy Birthday to you〜」
歌い終わると同時にそれぞれ隠し持ってたクラッカーを鳴らした。
「「「「誕生日おめでとう!!」」」」