第11章 誕生祝い to JUN
智があんまり可愛く笑うから、ついボーッと見惚れていたら
「来て!はい、こっち見て!笑ってー!」
突然間に割り込んできたニノに腕をぐいぐい引っ張られて、誕生日飾りの前に連れて行かれる。
「なに?」
「いいから!笑えー!」
何が何だか分からないけれど反射的に笑顔を作ったら、カシャカシャ写真を撮られた。
「はい!次は智も!」
「ちょ…ニノ…」
ニノは智もズルズル引きずってきて俺の隣に並ばせると、走って戻っていく。
「ふふ♡すっごい良い感じ♡笑って笑って!」
智は何か言いたそうだったけど、あまりにもニノが楽しそうだからか、諦めたように笑顔を作った。
「良い写真が撮れた♡せっかくだから5人のも撮りたいなー」
ご機嫌なニノがそんなことを言うから
「確か姉ちゃんが自撮り棒持ってたはず…ちょっと待ってて」
なんか俺も積極的に探しちゃったりして。
無事見つけたけど、誰も使ったことないからあーでもないこーでもないって、写真1枚撮るのにも大騒ぎして。
でもなんかすげー楽しかった。
「大変!お料理冷めちゃったかも!」
撮影がひと段落ついたところで、ニノが大きな声を出した。
うっかり忘れてたけど、料理は全部完成して盛り付けまでしたんだった。
慌ててニノと確認するが、当然ながら熱々ではなくなっていて。
「火を入れ直すか?」
「まだあったかいから、すぐ食べれば大丈夫じゃない?」
「オッケー!じゃあすぐ準備しよう!」
みんなにも手伝ってもらって机に並べて行く。
全員席に着いたら、ジュースをコップに注いで。
「じゃあ、潤!誕生日おめでとう!」
「「「おめでとう!!」」」
翔が音頭をとってくれてみんなで乾杯した。