第11章 誕生祝い to JUN
ーMsideー
「よし!完成!」
「出来たー♡」
「お疲れ!」
出来上がった料理を並べてニノとハイタッチして労い合う。
ニノのおかげで思ってた以上に早く完成したし、喋りながらの作業もなんだか楽しかった。
仕上がりも上々だし達成感に包まれて並んだ皿を眺めていたら、何やら飾り付け隊の方も盛り上がってて。
あっちも完成したかな、なんて思ってたら
「そっちも終わった?」
「潤!見て見て!すごいよ!」
翔と雅紀に声を掛けられて顔を上げる。
指差された方を見ると、目に飛び込んできたのは想像してたより遥かに立派な誕生日飾り。
飾りっつーか、フォトスポットみたいな空間が出来上がってた。
集中してる智の綺麗な横顔とかさ、作業してる姿は見えてたんだけど。
どんなの作ってるのかまでは、翔や雅紀の背中で隠れてよく見えてなかったから。
初めてちゃんと見たその完成度の高さに感動してしまう。
俺のためにこんなすごいのを作ってくれたんだって思ったら胸がいっぱいになった。
「わー!すごい!すごいね、智!どうしたらこんなの思いつくのー?」
言葉を失ってただ突っ立って見入る俺とは正反対に、ニノはキャーキャー言いながら智に飛びついた。
「すごいねー!素敵だねー!愛だねー!」
「もう!ニノ!」
「うふふ♡」
軽くじゃれたら気が済んだのか、ニノはパッと智から離れて今度は翔と雅紀の方へ向かっていった。
「翔ちゃん、お疲れさまー♡すごいね♡素敵なのが出来たね♡」
「ちょっとニノ!俺のことも労ってよ!」
「あー、はいはい…お疲れー」
「雑!!」
そんなやり取りを聞きながら、誕生日飾りから目を離せずにいると、智が隣にやってきた。
「どう?気に入ってもらえた?」
自信なさげに俺の反応を伺ってる。
なんでこんなすげーの作っといて自信ねーんだよって思うけど、それは飲み込んで。
「めちゃくちゃ気に入った…ってか、めちゃくちゃ感動してる」
素直な感想だけを伝えると、智は安心したように息を吐いて、それはそれは嬉しそうに微笑んだ。