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キミのとなりで【気象系BL】

第2章 友だち


ーOsideー


「おはよー、智!」

朝、学校へ向かう通学路を歩いていたら、後ろから声を掛けられた。

振り向くと雅紀だった。

「おはよ、雅紀」

雅紀は大股で近付いてきて並んだ。

「今日はニノいないね」
「いないね」
「またゲームかな」
「ま、ニノは遅刻はしないでしょ」

他愛もないことを話ながら学校へ向かう。

いつも通りの朝。



雅紀とニノは同じ中学出身の友だちで、家もわりかし近い。

高校までは徒歩。

朝は何となく同じくらいの時間に集まって、一緒に学校に行くことが多かった。

でも特に約束してる訳じゃないから、会えない日もよくある。

今朝はニノがいなかったけど、それも別に珍しいことではなくて。

だから特に疑問を抱くことはなかった。



教室の前で雅紀と別れる。

中に入ろうとしたら、入口を塞ぐように立ってるやつがいた。

邪魔だな···

ちょうど真ん中に立っているから横を通り抜けることも出来ない。

こんなとこに立ち尽くして何してるんだ?

そいつは一点を凝視しているように見えた。

教室内に何かあるのかな?

声を掛けようとしたら、その前に俺に気付いたのか教室に入っていった。

続いて俺も中に入ろうとしたけど。

目に飛び込んできた光景に驚いて、今度は俺がその場に立ち尽くしてしまった。



ニノはもう教室にいた。

クラスメイトの···確か櫻井くんだったかな?と喋ってる。

仲良く、楽しそうに。

それだけでも珍しいのに。

寄り添うようにくっついて、それはそれは可愛い笑顔を櫻井くんに向けていた。

今まで見たことがないようなニノの笑顔にドキッとする。

ニノあんな顔もするんだ···



俺は鈍い方だと思う。

特に恋愛方面はからきしダメで。

でも今回のは、いくら俺が鈍くても分かった。

分かってしまった。


ニノ、櫻井くんのこと好きなんだ···


一体いつからなんだろう?

ずっと一緒にいたのに全然知らなかった。

櫻井くんもニノのこと好きなのかな?

すごく優しい顔でニノのこと見てるもんな。

好きなんだろうな。

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