第11章 誕生祝い to JUN
-Mside-
主役は自宅でのんびり待っててよ、なんて言われて。
でもやっぱり何もしないではいられなくて。
掃除したり、料理の下準備も出来ることはやったりして。
そろそろやることも尽きそうだなって時に、ようやくインターフォンが鳴った。
「いらっしゃい」
誰かなんて分かりきってるから、確認もせずにドアを開けると、大荷物を抱えた4人がいた。
でも翔とニノは手繋いでるわ、ニノは腕に風船いくつもくっつけてるわ…突っ込みどころ満載なんだけど。
まぁ、風船は誕生日会用の飾りなんだろう。
てかニノ異様に風船似合うな。
「とりあえず入んなよ」
「お邪魔しまーす!」
翔以外はうちに来るの初めてだから、なにやら物珍しそうにキョロキョロしながら付いてくる。
「わー!なんか潤くんちって感じ!」
「なんじゃそりゃ?」
リビングに入るなりニノがよく分からない感想を漏らすから、つい苦笑いしたら
「いや、分かる!なんか潤っぽい!」
「おしゃれ!」
智と雅紀には分かるらしい。
照明が…とか、置物が…とか、3人でわいわい盛り上がり始めた。
「とりあえず冷蔵庫に入れるもん出してよ」
まだ荷物持ったままなの忘れてそうだと思って声を掛けたら
「あ!これケーキ!早く冷蔵庫入れなきゃ」
「サンキュ」
ニノが手にしてた紙袋を差し出してくる。
自分の誕生日ケーキだと思うと何となく気恥ずかしい。
「お楽しみだからまだ中は見ちゃダメだよー!」
「はいはい」
さっき冷蔵庫の中を整理して空けておいたスペースにケーキの箱をしまう。
「肉も冷蔵だろ?」
「あ!シーフードミックスと冷凍ポテトは?」
4人がダイニングテーブルに荷物を置いて買ったものをどんどん出していくのを確認していく。
「肉とシーフードミックスはすぐ使うから出しといて大丈夫。ポテトはとりあえず冷凍庫だな」
すぐ使うもの、まだ後でいいものと、振り分けて整理した。