第11章 誕生祝い to JUN
「よし、じゃあ行こうか!最初に100均で誕生日飾り買って、スーパーで買い出し。買うものは潤に聞いてある。最後にケーキ屋さん、ケーキはもう予約してあるから受け取るだけだよ」
翔くんがテキパキとこれからの予定を伝えてくれる。
ケーキの予約までしてくれてるなんて、さすが翔くん!
きっと色々調べてくれたんだろうな。
最初に向かったのは100均の大型店舗。
「わー!たくさんあるねー!」
「智選んでー」
「なんで?みんなで選ぼうよ!」
「だって智センスいいもん」
いきなり丸投げしようとするニノに苦笑しつつ、みんなでワイワイ選んでいく。
「ねぇ!風船は?」
「いいかも!」
「ここの商品ならガスも入れてもらえるみたいだよ」
翔くんは商品についても調べ済みだった。
風船を見てたら、ぼんやりと飾り付けの全体図が浮かんできた。
「あのさ、風船いくつかフワフワさせて、あのガーラントとあっちの立体的な飾りを組み合わせてさ…あれを貼って…」
一生懸命説明するけど、みんなにうまく伝わらない。
「どれが何だって?」
「えっと、あれをクルクルってしてね」
「ごめん、智。何言ってるか分かんないよ」
「智に全部任せるから、智が必要だと思うの買ってこ」
雅紀が困った顔したら、ニノがにっこり笑った。
「どんなか分かんないのにいいの?」
「最初から智選んでって言ったじゃん。智が考えたものが変なわけないもん」
ニノはあっけらかんと言い放つとカゴを差し出す。
「ほら!どれ?カゴに入れてー!」
ニノの場合、自分で選びたくないってのも絶対ありそうだけど。
それでも俺のこと信用してくれてるってことだと思えば嬉しかった。