第11章 誕生祝い to JUN
-Oside-
約束の日は天気も良くて風もない花火日和だった。
花火が上がるのは19時くらいからみたいだけど、食材とケーキの買い出しして、部屋の飾り付けして、ご飯も作って…ってやることが山盛りにあるから昼過ぎには集まる約束で。
家が近いニノと雅紀と待ち合わせ場所に行くと、もう翔くんが来てた。
翔くんの姿を見つけて嬉しそうに駆け寄っていくニノを、翔くんが笑顔で迎える。
「翔ちゃん、お待たせ!俺たち遅かった?」
「ううん、ちょうどだよ。俺が早く着いちゃっただけ」
「そっか…でも待たせてごめんね。俺ももっと早く来れば良かった」
気にしないでって翔くんがニノの頭をなでなでする。
今日も仲良しだな〜と2人のやり取りを眺めつつ、ふと気付く。
「潤は?」
時間にルーズなタイプじゃないのにまだ来ていない。
「ああ、潤は買い出しの間は自宅で待っててもらうことにしたんだ」
「なるほど」
そりゃそうだ。
潤の誕生日会だもんな。
「潤くん掃除して待ってるんだって。潤くんが主役なのにぃ」
ニノはまた不満そうに口を尖らせてたけど、急にニヤニヤしだしたと思ったら
「智だけ先に潤くんち行ってもいいよ?」
そんなことを言い出した。
「潤くんちで2人きりになれるよ♡」
「行かないし!」
からかわれてるだけって分かってるのに、ついムキになってしまう。
顔も赤くなってるだろう。
「もう!早く買い物行くよ!」
お店の場所なんて知らないけど、やみくもに動こうとしたら
「智、怒った?」
ニノがするりと腕に絡みついてきた。
上目遣いで俺の機嫌を探ってくる。
「怒った!」
「ごめんね」
ずるいって思っても、このうるうるの目にすぐほだされちゃうんだよな〜。
「もう、すぐからかうのやめてよね」
「だって照れる智が可愛いから見たくなっちゃうんだもん」
ため息まじりに文句を言うと、ニノは可愛くテヘッと笑った。
絶対反省してないな、こりゃ。