第11章 誕生祝い to JUN
潤の誕生日は祝いたい。
誕生日会なんて子どもの時以来だからなんかワクワクするし。
今週末は部活もバイトもないから、予定的にも大丈夫だ。
でもさ……
2組のカップル、と、俺。
俺、ジャマじゃない?
俺も居てもいいのかな?
ちょっと卑屈な考えが頭をよぎる。
「雅紀予定あるの?来れない?」
つい黙ってしまった俺を、ニノが様子を伺うように覗き込んだ。
「いや…」
歯切れの悪い返事しか出来ずにいたら
「雅紀都合悪い?雅紀が来れないなら日にち変えようか」
「そうだな、別の花火大会にしようぜ」
翔くんと潤があっさり予定を変更しようとするから焦ってしまった。
「いやいやいや!そんなことしないでいいよ!予定は大丈夫!」
「じゃあ何?何か来たくなさそうに見えるんだけど」
慌てて止めると、ニノの目がキッと鋭くなった。
「そんなことないよ」
否定しても、ニノはまだ睨んでる。
そうしたら智がふふっと笑った。
「ニノは雅紀にも来て欲しいんだよ」
「別に…来たくないなら来なくてもいいけどさ」
智が笑いながら言うと、ニノはぷいっとそっぽを向く。
でもその可愛くない呟きは拗ねたような響きで。
「もちろん俺も、きっと潤も翔くんも、同じ気持ちだよ?」
智の優しい微笑みが俺の卑屈な気持ちを溶かしていく。
素直に、勝手に卑屈になって変な気をまわすのはやめようって思えた。
そんなの俺らしくないよね。
ニノも智も翔くんも潤も、誰も俺のことジャマだなんて思ってない。
みんなそんなこと考えるような人たちじゃないよ。
ちゃんと俺のこと友だちだって、一緒に遊びたいって、そう思ってくれてるんだ。
俺だってみんなのこと大好きなんだから。
こうやって誘ってもらったら、素直に受け入れればいいんだよ。