第11章 誕生祝い to JUN
甘い空気を撒き散らす4人をチラ見しつつ、今日のバイトも無事に終わった。
最もニノたちを気にしてたのは俺だけじゃなくて、おばさんも他のお客さんたちもチラ見どころじゃなくガン見してたけどね。
本人たちは気付いてないんだか、気付いてて無視してんだか分かんないけど、全く気にした様子はなかった。
「またみんなで来てね♡」
「はい、ありがとうございます。ご馳走さまでした」
「ごちそうさまでした!」
なんだかテンションの高いおばさんに翔くんがお礼を伝えると残りの3人も声を揃えて頭を下げた。
「お先に失礼しまーす」
「お疲れさま」
俺もペコリと頭を下げて店を出た。
「お疲れ、雅紀!」
「待っててくれてありがとね」
「いや、突然押しかけたのにあんなご馳走になっちゃって…かえって悪かったな」
「そんなことないよ。来てくれて嬉しかったし、おばさんもイケメンたちねーって喜んでたよ」
翔くんも潤もちょっと申し訳なさそうな顔をするから、俺の素直な気持ちとおばさんの様子を伝えたら
「ははっ、面白いおばさんだな」
なんて2人して笑う。
でもその後ろでニノと智が当然と言わんばかりの顔してるからおかしかった。
「で、なんだっけ?花火と誕生日会?」
そもそもの話を聞きたくて尋ねると潤が答えてくれる。
「そうそう。今週末に花火大会あるだろ?あれ、うちのベランダから見えるんだよ。だからうちに来ないかってお誘いなんだけどさ」
「家から花火見えんの!?すげー!!」
さらりと言ったけど、家から花火見えるってすごくない!?
単純に感心してしまう。
「潤の誕生日が30日でさ。その日に誕生日会もしたいと思ってるんだけど、雅紀都合はどう?」
翔くんが続けて説明してくれて、花火と誕生日会がセットになってる意味がやっと分かった。