第11章 誕生祝い to JUN
雅紀がバイト中で連絡が取れないって話になったら
「ねぇねぇ!それならさ、これからみんなで雅紀のバイト先に行って直接話そうよ」
カズがいたずらっ子みたいな顔で提案した。
「連絡しないで行って、また驚かしちゃお♪」
「いくら雅紀でも2回目だから驚かないんじゃない?でもおばさんもまた来てねって言ってたし、行くのは良いかも」
「なんかおばさん、翔ちゃんと潤くんにも来てほしそうだったもんね」
「うん」
カズと智くんはすっかり乗り気だし
「雅紀のバイト先ってなんだっけ?」
「カフェだよ」
「じゃあ、雅紀ウェイターやってんのか。見てみたいかも」
潤も興味ありそう。
俺だって別に構わないんだけど。
だけど···雅紀のバイト先か。
前に電話でカズが雅紀のこと“カッコいい”って言ってたやつだよな。
目の前でカズが雅紀のこと褒めたら···俺、冷静でいられるかな。
「翔ちゃん?この後なにか予定あった?」
黙ってしまった俺に、カズが心配そうに声を掛けてくれる。
「予定なんてないよ、大丈夫!」
急いで否定するけど、カズの眉毛は下がったままだ。
「無理しないでいいからね。予定あるなら、3人で行ってくるから」
カズは気を使ってくれてるんだろうけど、ついていかないなんて無理!
俺のいないところで···より、目の前で見る方が何倍もマシだ!
「本当に大丈夫だから、一緒に行くよ」
「うん」
再度大丈夫だと伝えたら、やっとカズがにっこり笑ってくれた。
耳元に口を近付けると
「あのね、本当は翔ちゃんと一緒に行きたかったから嬉しい///」
内緒話でもするみたいに小さな声で伝えてくれる。
くぅー、めちゃめちゃ可愛い!!
なんでいちいちこんなに可愛いんだろう?
思わずじっと見つめたら、照れてるみたいにえへへと笑う。
その声が弾んでて本当に嬉しいって思ってくれてるんだって分かった。